「考察を加えてください」と言われると、何をすれば良いか分からない人が続出します。
レポートはテキスト理解の上に自分の考えを述べることが原則です。「テキスト理解→考察」という流れで展開するので、考察はレポートの必須要素であることが分かります。
したがって、考察の加え方を学ぶことは、通信生にとって避けて通れない道です。 そこで、考察の加え方について分かりやすく説明します。
まずは、「考察」という概念について、おおまかなイメージを付けてもらいたいと思います。
考察とは、事実から何が言えるかを予想することです。
事実を述べるだけなら誰でもできます。ただ、その事実に基づいて、的確に予想するのは簡単ではありません。
レポートの場合、事実とはテキストや文献内容の説明に該当します。ここで気付きが多いほど、良い考察ができます。
例えば、「鎌倉幕府の成立は、1192年という説の他に、1185年という説がある。」と述べたら、単なる事実を述べた文です。一方、 この事実に対して、「守護と地頭が置かれた1185年こそ頼朝の実質的支配がはじまった年であり、それゆえ1185年が鎌倉幕府始まりの年と考えられる。」と述べたら、考察となります。
このように、「ある事実に対して、こういうことが言えるのではないか」という予想を考えることが考察なのです。