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なぜ節が必要か

レポートに節は必須です。たまに節を作らないで一本調子のレポートを書く人がいますが、それでは良いレポートは書けません。

 

これには理由があって、節なしで書こうとすることは、レポートの最大の目的を果たす上で不利にしか働かないからです。

 

このページでは、レポートの節立ての仕方について解説します。

 

レポートの目的は、問いに答えることです。レポートは何かしらの答えを出すための文章であり、その意味で議論に喩えられます。

 

そこで、議論の方法について考えてみましょう。

 

議論では必ず小さな疑問を解決することで、本来の論点を解決に向けます。これは言い方を変えると、論点を細分化しながら答えに迫ることで、誰も反論できない論理的な構造をとっているのです。

 

議論の論点は、レポートの「問い」に該当します。それを細分化するということは、主問の答えを出すために必要な副問をいくつも用意することになります。

 

この副問を扱うのが節です。

 

ここまで読めば、節は小さな疑問を解決するというテーマを持った文章であることが理解できます。「疑問Aの解決→疑問Bの解決→疑問Cの解決→レポート全体の解決」という議論の道筋は、節を作ることで分かりやすく示すことができます。

 

このようなわけで、節を作らず本論を展開したり、反対に意味もなく節を立ててはいけません。節の役割を知ることで、自然と良い節立てについて理解できます。

節の種類

レポートの流れは、「テキスト理解→考察」と決まっています。テキスト内容を説明し、それを踏まえて考察することで、最も良い評価が得られます。

 

このときも節立てが役立ちます。

 

まず、レポートにはテキスト理解と考察という2種類の異なる文章があります。いかにスムーズに移行できるがポイントで、テキスト理解と考察が繋がっておらず、本論が上下に分断された文章になってしまう人が多くいます。

 

そこで、重要なことは、節には2種類あるということです。 テキスト理解を担う「説明節」と考察を担う「考察節」です。

 

説明は過不足なく述べることが重要なので、優れたレポートはテキスト理解を丁寧に行います。説明項目をキーワードとして箇条書きにしておき、キーワードごとに説明することで、テキスト理解を完璧に示すことができます。

 

このキーワードごとに立てられた節が説明節です。文献内容を自分の言葉で説明することが求められます。

 

その後、考察を行います。説明節の内容を受け、自分の考えを述べて問いに対する答えを出します。

 

これが考察節です。

 

一般的には、説明節3つに対して考察節は1つ用意することで、字数内容ともにうまく収まります。

色々な節立ての仕方

節の作り方は多岐にわたり、絶対に正しいというものはありません。節の作り方は議論の進め方と考え方は同じなので、議論がワンパターンでないように、節立ても様々な方法があるのです。

 

例えば、皆で意見を出し合ってから、それをまとめていく議論もありますし、一部の人が力強く展開し、それを周りの人が理解するという議論もあります。これらは、どちらも議論としての役割(答えを出すこと)を果たしているという意味で、正しい形式を取っています。

 

節立てにおいても重要なことは、見た目や配列ではなく、レポート本来の役割とリンクした節立てになっているかどうかです。それさえクリアしていれば、問題なく合格します。

 

レポートの目的とは「テキスト理解→考察」という流れによって、答えを出すことです。それに貢献した節立てであれば、すべて正しいと言えます。

 

例えば、いくら丁寧にテキスト理解を示しても、肝心の答えに結びつかなければ、「ここまでの説明はなんだったのか」と思われても仕方ありません。これが上述した内容の分断です。

 

しかし、このことは逆に言えば、説明節と考察節の繋がりさえきちんとしていれば、「説明節1→説明節2→説明節3→考察節」の形にならなくても良いことを意味します。

 

例えば、「説明節1→考察節1→説明節2→考察節2」と順番を組み替えても問題ありませんし、説明節と考察節を1つにまとめて、「問題1についての説明と考察」→「問題2についての説明と考察」と展開しても構いません。

 

結局のところ、これらは述べる順番の違いにすぎません。

 

ただ、節立ては順番ではなく、必要な要素がそろっているかが重要です。それは、説明と考察です。

 

したがって、節立てとは、レポートを論理的に展開することを助けるものだと思ってください。

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