参考文献との付き合い方を学ぶ重要性
レポートの文章は、公共的かつ客観的でないといけません。大学や科目に関係なく、他人の文章を盗用してはいけませんし、個人的な予想や感想は極力排除すべきです。
そして、レポートの様々なノウハウは、こういった原則の上に積み重ねていきます。そのため、これらの原則を無視している人は、その先のノウハウを積み重ねることができません。
レポートで失敗する人は、次の2つのパターンに分けられます。
根拠のない主観をあたかも一般論のように書く
文献の内容をあたかも自分の意見のように書く
一見するとこれらは真逆の内容ですが、参考文献の使い方に問題がある点で共通しています。前者は参考文献の内容を反映させなければならず、後者は参考文献の内容を自分の言葉に直さなければいけないからです。
特に、後者はレポート作成上のルールだけでなく、法に違反しているので、受付そのものが無効になるなど、処罰が待っています。
このように、参考文献の使い方を間違えると、大変な目に合います。ただ、参考文献なしにレポートは作成できないので、その付き合い方を学ぶ必要があるのです。
主観と客観を分かつ引用
これら2点を同時に解決する方法があるので教えます。
それが引用です。
レポートの原則を学ぶ際、引用は絶対に欠かすことができないので、このページで詳しく説明していきます。
引用とは、他人の文章を自分の文章中に転載することを指します。その際、注を付して出典を明らかにしたり、引用符(カギカッコ)を付けるなど、自分の文章と区別するための様々な配慮が必要になります。
それでは、なぜそこまでして引用するかと言うと、自らの主張内容に客観性を添えるためです。
どんなに論理的な文章を書いても、その内容が正しいかどうかは別問題です。正しさが証明できないと合格できないので、要所要所で主張内容の根拠を載せる必要があるのです。
この根拠を示すために、参考文献から文章を引用します。学術書の内容は正しいことが認められているので、そこから引用することで、自分の文章の正しさも保証されます。
このように、引用は自分の文章を補足するために行います。レポートの主役はあくまで自分の文章であって、参考文献が取って代わることはできません。
そのため、あまりに引用箇所が多いと、適切な引用と認められません。決して合法的なコピペというわけでなく、根本的に意図が異なるので、この点をはき違えないようにして下さい。
引用が向いている内容とは
それでは、実際のレポートではどのような場面で引用すれば良いのでしょうか。
一番多い失敗例は、文字数を稼ぐために、やたら多くの情報を引用する人です。そういった人ほど、引用するだけして、一切その内容に触れず、次の話に移り変わってしまいます。
ただ、引用数が多かったり、分量が多いほど、合格できる確率は下がります。不要な内容を含むため意図が分かりにくくなるからです。
当たり前ですが、原則は自分自身の言葉での記述なので、引用は最小限の分量で行うようにしてください。さらに、引用後に解釈を述べることで意図を示し、引用しっ放しを避けてください。
また、これとは反対に、偏った定義や根拠のない数値を平気で載せる人もいます。頭を使って作成にあたっていることは伝わりますが、内容の真偽が疑われてしまったら元も子もありません。
そのため、定義付けや数値は、必ず信頼できる文献から引用して下さい。これらは正確さが重要なので、自分の頭を使って書くべきではなく、むしろ自分の主観が入っていないことを示す必要があるからです。