正しい内容を述べるだけでは合格できない
レポートを書く際は、公共性と客観性を意識して文章作成にあたる必要があります。公に向けた体裁を保ち、第三者を説得できるだけの根拠が求められます。
つまり、通信教育課程では「分かりやすく、正しい文章」が評価されるので、いかにしてそのような文章を書くかについて説明していきます。
まずは、文章に公共性を持たせる方法から説明していきます。
意外かもしれませんが、レポートというものは、内容が正しければ必ず合格できるというものではありません。たとえ内容が正しくても、レポートの体裁を取っていなかったり、推敲が足りていない文章であれば、合格水準に達しません。
よくあるのが、日本語として間違っていたり、一文がやたら長い文が散見されるレポートです。また、話が脱線するレポートもあります。
こういったレポートは、たとえ全体的な内容が正しくても、公共性を配慮していないため不合格となります。
「分かりやすい文章」とは何か
公共性がある文とは、多くの人がすんなり理解できる文であり、明快で論理的に述べられています。
これは、テーマや問いを立てることにより、可能になります。
テーマとはレポートの主題であり、述べるべき題材を指します。「〜について」という形でまとめ、レポートの範囲を決定します。
これと似た概念に、問いがあります。
問いはレポートの論点であり、解決すべき項目を指します。「〜だろうか」という形でまとめ、レポート全体を通じた結論を導きます。
これらは一見区別がつきにくく混同しがちですが、レポート上の役割は全く異なります。
例えば、「モジュラー化について」というテーマでレポートを書くとします。
ただ、テーマだけでは「モジュラー化」の何を述べれば良いか分かりません。そこで、「製品工程のモジュラー化は、いかにして生産工程のモジュラー化を導くか」という問いを立てれば、文章に目的が生まれ、論理的な展開や結論が見えてきます。
このようにテーマだけでは論述を行うことはできません。あるテーマについて論述するということは、自ら問いを立てて、それを解決していく過程で実現するということを認識して下さい。
いかにして「正しさ」を証明するか
続いて、文章に客観性を持たせる方法について説明します。
客観性のある文章には説得力があります。意見や願望を排し、事実をベースに展開することで、文章の信頼度は急上昇するからです。
当たり前の話ですが、どんなに論理的に展開しても、前提となる知識が間違っていたら合格することはできません。
したがって、公共性について配慮した後は、内容の正しさを示す必要があるのです。
これはレポート本文に、テキストや文献から文章を引用することで可能になります。これらは既に正しさが証明されているので、それに沿って述べるだけで、正しい内容だと認められるからです。
例えば、がんによる年間死亡者数を述べるとします。
自分の言葉で数値を述べるだけでは説得力がないので、文献から数値を引用します。信頼に値する出典を示し、誰でも引用元にあたれる状態にすることで、客観性のある文章を作れるようになるのです。
このようなわけで、レポートでは正しい内容を述べるのは当然として、その根拠を示すことが重要です。
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