「自分の言葉で書く」とはどういう意味か
私はレポート指導の際、よく「自分の言葉で書いてください」と言います。テキストや文献に載っている文をベースに文を作るのではなく、一から自分で作成するという指示になります。
なぜこのように言うかと言うと、テキストや文献の文章を参考に文を作ると、確実に意味不明の文になるかです。やたら難しい言葉を多用したり、繋がらない文を繋ぎ合わせたり、一文が異様に長かったりと、自分でも何を書いているか分からない状態になります。
こういった問題はレポートにおける最初の壁であり、今後も勉強を続ける上で絶対に乗り越えないといけない問題です。
特に、説明型レポートでは、全体に関わる問題だと言えます。
説明型レポートでは、テキストや文献の内容を理解し、それをレポートの体裁に乗っ取って説明していきます。いかにして「テキスト理解」を示せるかがポイントなので、それが分からないといつまでも合格することができません。
テキスト理解とテキスト丸写しの違い
説明型レポートでは、「テキスト理解」を示すための文章を作成します。レポート課題で問われている内容について、テキストや文献から答えを探し、過不足なく述べられていれば合格できます。
その際注意すべき点は、テキストや文献のコピペにならないようにすることです。テキストに述べられている内容を書こうとすると、どうしても丸写ししてしまいがちですが、それでは合格できません。
なぜなら、テキスト理解を示すということは、テキストや文献から必要な情報を抽出し、それらを組み立てることだからです。語尾だけ変えたところで不要な内容が含まれるので、どんどん趣旨がズレていくことが分かります。
このように、テキスト理解を示すことは、テキストの丸写しとは全く異なります。むしろ、自分自身でテキストを再構成することなので、そのためのテクニックを身に付ける必要があります。
テキストを再構成するテクニック
初学者ほど、テキストや文献の文章を神格化し、レポートに転記することばかりを考えます。このような人に対して、「テキストを再構成する」と言うと、とても難しいことを言っているように感じると思います。
ただ、私からしたら、既にある文章を微妙にいじる方がよほど難しいです。どう頑張ってもテキストの劣化版コピーにしかならないので、満足いく文章などできるわけがないからです。
したがって、文章作成に関する考え方から変えていかないといけません。
まず、「テキスト理解」とは、テキストの文章表記を参考にすることではありません。表記そのものに注目するのではなく、筆者が何を言いたいかを考え、その「内容」を述べ直してあげることなのです。
このように言うと難しく感じますが、実際には簡単です。
予め頭の中に情報を入れておき、それをアウトプットするだけで良いからです。
このようにして作られた文章は、必要な部分だけが抽出されており、順序も適切に置き換わっています。
テキスト理解を示す際は、「ながら」で書くのではなく、まずは徹底した知識のインプットを行って下さい。文献がなくても空で言えるくらいに理解度を高め、「何が重要なことか」が明確に見えている状態を作ります。
その状態でテキストの内容を書き起こせば、自然と自分の言葉に変わり、テキストを再構成した形になります。
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