テキストを再構成する

レポートを書く際、テキスト内容を自分の言葉で説明するテクニックが必要になります。テキストと同じ内容を述べるとなると、どうしてもテキストと同じ文章になってしまうという人は数多くいます。

 

ただ、これはテキスト内容を理解していない証拠です。浅い理解のまま書こうとするから、丸写しや要約にならざるを得ないのです。

 

当然、テキスト内容を説明することと、丸写しや要約はまったく別です。もちろんテキスト通りの内容を述べる必要はありますが、述べる順序や項目まで全く同じというわけにはいきません。

 

そこで、テキスト内容のうち、レポート課題にマッチする箇所をピックアップし、それらの論理構造を考えます。適切に並べ替えたり、間を補って結び付けてあげることで、分かりやすい説明というものが生まれます。

 

言ってしまえば、テキストを再構成するのです。

テキストの文章は欠陥だらけ

このように言っても、既にある完璧な文章を下手にいじることで、内容が変わってしまうことを恐れる人がいます。

 

ただ、そういう人にぜひ知っておいてほしいことは、テキストの文章は、まったくもって不完全だということです。その不完全な文章を、「あなた」の手で分かりやすい文章に変えていくという気持ちを持ってください。

 

なぜここまで言えるかと言うと、多くの人は、初見でテキスト内容を理解できないからです。何度か読むうちに趣旨を理解できるようになり、やがて全体像が掴めます。

 

なぜ初見で理解できないのか、この答えは決まっています。

 

論理構造が分からないからです。

 

行き先を告げられず車に乗っていたら不安になるのと同じように、今何について述べられていて、次にどういう内容がくるのか分からなければ、文脈の中で解釈することなど、とてもじゃないけどできません。

 

それでは、そんな文章は本当に完璧ですか?ということになります。

 

ここまでの内容を踏まえると、テキストを再構成する方法が見えてきます。

 

それは、説明項目で意味段落を作り、小テーマを宣言してから述べることです。これにより、テキストの内容を変えず、より分かりやすい文章にアップデートすることができるようになります。

テキストを再構成する手順

それでは、テキストを再構成する方法について詳しく解説してきます。

 

まずは、レポート課題からテーマを設定し、レポートで扱う範囲を見極めます。これにより、述べる項目が決まります。

 

次に、項目ごとに節を立てます。これにより、述べる順序が決まります。

 

最後に、この枠組みの中に、テキスト内容を落とし込んでいきます。範囲と順序を先に決めているので、テキストを論理ごと転記するのではなく、レポートの形に適合するように並べ替えたり、取捨選択する必要が出てきます。

 

例えば、「日本の選挙について説明しなさい」というレポート課題があるとします。典型的な説明型レポートなので、テキスト内容を自分の言葉で説明する必要があります。

 

まずは、「日本の選挙制度について」などとテーマ設定し、レポートで扱う範囲を決めます。

 

次に、このテーマを過不足なく説明する上で必要な項目は何かと考えます。「選挙制度の概要」、「選挙制度ごとの特徴」、「選挙制度ごとの長短」などが該当します。

 

そこで、これらの項目ごとに節を立て、何を、どの順序で述べるかを決めます。

 

最後に、テキストの内容を各節に分配していきます。その際、各節の中でも意味段落を意識的に作り、論理的な繋がりを明瞭に打ち出します。

 

このようにして、内容を変えずに、レポートに最適な形にテキストを再構成することができます。


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