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レポートは2種類ある

通信制大学には、科目の数だけレポート課題があります。 配布されたテキストやレポート課題集を見ると、その量の多さに圧倒されそうになります。

 

ただ、当然ですが、自分が手掛けるのは、このうちのほんの一部です。

 

卒業までに、卒論やスクーリングを除いて約80単位分のレポートを書きます。1科目2単位と単純計算して、40科目のレポートを書くことになります。

 

これは、40個のレポート課題と格闘することを意味します。

 

ただ、一口にレポート課題と言っても、大きく2種類に分けられます。

 

これらのレポートでは、書き方が異なります。そのため、両者を見分け、書き分けないといけません。

 

見極めは簡単です。

 

多くの場合、大学によって意図的に区別されており、一般教育科目と専門教育科目で分けて設置されています。

 

まずは、レポート課題が2種類あるということ、難易度が低い一般教育科目から始めたほうが良いということを覚えておいてください。

課題の語尾に注目する

通信制大学のレポートは、2つのタイプに分けることができます。これらは内容も難易度も異なります。

 

この違いはどこに由来するかを考えることで、両者を判別する基準が浮かび上がります。

 

それは、レポート課題の末尾です。課題の末尾には、「指示内容」が載っているので、ここに注目すれば判別基準が明らかになります。

 

そこで、レポート課題の末尾に注目すると、以下のようなパターンに分けられます。

 

・説明しなさい

 

・論じなさい

 

・考察を加えなさい

 

・まとめなさい

 

普段は読み飛ばしているかもしれない指示ですが、少し立ち止まって考えてみましょう。

 

このなかに1つだけ異質な指示がありますが、それはなんでしょうか。

 

「説明しなさい」です。

 

例えば、「考察を加えなさい」というのは、テキスト内容をまとめた上で、自分なりの意見を述べます。「論じなさい」や「まとめなさい」も同様です。これらの指示は、自分自身の視点からテキスト内容について考察する必要があるのです。

 

しかし、「説明しなさい」の場合はその必要がありません。

 

「説明」とは、文献内容を、自分の言葉に直して「説明」することだからです。それ自体が課題の要件なので、他のレポートと違ち、「議論」をする必要がありません。

レポートのタイプ分け

「論じなさい」「考察を加えてください」「まとめなさい」という指示では、「自分なりの考察」が必要になります。一方、「説明しなさい」という指示では、テキストや文献内容を正しく述べます。

 

このようにレポート課題の指示によって、レポートの構成が変わります。この観点から、レポートをタイプ分けしてみます。

 

・説明型レポート

 

「〜を説明しなさい」という課題のレポートです。説明のみで構成されるので、自分なりの考察は必要ありません。総合教育科目に多く存在するので、難易度は低いと言えます。

 

例えば、「経済政策の効果についてIS曲線およびLM曲線の概念を用いて説明せよ」という課題があるとします。

 

この場合、「経済政策の効果」について説明することがレポートの要件です。その際、図や表が必要になりますが、これらも説明の補助として用いるので、自分の意見を述べる必要はありません。

 

・論述型レポート

 

「〜を論じなさい」「〜に考察を加えなさい」という課題のレポートです。説明と考察で構成され、特に考察の部分が合否を分かつカギになります。専門教育科目に多く存在するので、難易度は高いと言えます。

 

例えば、「テキストの主張内容を踏まえた上で、レポート筆者が関心を持っている今日的な問題について論じてください」という課題があるとします。

 

この場合、自分でテーマを設定し、それについて説明した後、その事実に対して考察を加える必要があります。

 

両者の構成の違いを簡単にまとめると、

 

・説明型レポート=説明

 

・論述型レポート=説明+考察

 

このようになります。説明型レポートは、考察の部分を省けるので易しいというわけです。

 

もう一つ重要なことを教えます。

 

説明型は総合教育科目に多く、論述型は専門科目に多いのかという理由です。

 

大学教育では2年次までは基礎を身に付けることを主眼とします。そのため、学部共通の総合教育科目を履修します。その後学部や学科ごとの分野に分かれ、専攻分野ごとにゼミに入り、卒論を書いて卒業するというカリキュラムとなっています。

 

この課程を通信制大学に適用すると、最初の2年間で総合教育科目の説明型レポートに取り組み、大学通信教育の基礎を身につけます。最後の2年間で専門教育科目の論述型レポートや卒論に取り組み、本格的な学問を行うというカリキュラムになっているのです。

 

したがって、総合教育科目と専門教育科目を区別せずに受講している人は、せっかっくのカリキュラムを自分で壊し、わざわざ難しい方法で取り組んでいることになります。

 

当たり前ですが、レポートの勉強は「説明型→論述型」の順序で取り組んだ方が効率的なので、まずは説明型レポートに取り組みましょう。

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