レポート課題に対する間違ったイメージ
多くの通信生は「レポート課題」に神話を抱いています。レポート課題にはレポートに必要な問題が載っていて、その通り書けば良いという思い込みです。
実際には、レポート課題には具体的な問題は載っていません。レポート課題はかなり不完全な文章と認識するべきで、信頼するのではなく疑ってかかる読み方をしなければなりません。
なぜなら、疑うことで問題が生まれるからです。
ただ、なかには、レポート課題に全幅の信頼を寄せ、初見で内容を正確に理解した気になってしまう人がいます。
断言しますが、レポート課題の真意は、初見の段階では何も分かりません。課題の内容を理解できるのは、そのレポートを終えた時です。そして、それが合格したとき、初めて正しかったと言えるのです。
このように、フタを開けてみるまで課題の真意に気付けないのがレポートの特徴なのです。
レポート課題を理解することは難しい
それでは、どのようにしてレポート課題の真意を理解すれば良いでしょうか。
重要なことは、レポート課題を理解するには、一度課題から離れなければなりません。課題内容はテキスト理解を前提としているからです。
実際に、まったく知識がない人にとってはレポート課題は難解な記号に過ぎません、ただ、学術用語や概念について理解が深まれば、課題の持つ意味は変わってきます。
そのため、レポート課題はテキストと照らし合わせ、「テキスト内容から考えて、こういうことが聞かれているのだろう」と推測することが大切なのです。
この過程が抜け落ちると、レポート課題の認識にズレが生じます。特に、同じレポートが何度も不合格となってしまう場合、課題の認識がズレている可能性が高いです。
よくある失敗例は、再提出の際に必死になって自分の文章を見直すことです。ただ、見直すべきは文章ではなく、レポート課題です。
課題の認識に問題がある場合、文章だけ修正しても意味がないからです。
論理学が難しい理由
これについて例を挙げて解説します。
「真理関数理論における正しい推論について説明しなさい。」 というレポート課題があるとします。
論理学の真理関数理論では、論理式が「恒真」になれば正しい推論とみなされます。 そこで、これを答えにしたレポートを作成しようとします。
ただ、課題の真意はそこから一歩踏み込み、「なぜ恒真になるか」という理由まで述べることにあります。
このような論点はテキスト内容を深く理解しなければ気づくことができません。そのため、テキスト理解によってレポート課題を次のように再定義できます。
「恒真となる論理式の構造を分析し、正しい推論となる場合の論理式の特徴を述べよ。」
このように、テキストの理解度によってレポート課題の内容が変わります。レポートに必要な内容を理解するために、課題とテキストは切り離すことができないのです。
レポート課題は往々にして不完全です。具体的な問題は載っていません。それを補うことがレポートの勉強だと認識してください。
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