一番やってはいけない情報の網羅

レポート初学者ほど、1つのレポートにあらゆる情報を詰め込もうとします。情報を取捨選択することなく、レポート課題に少しでも関係していれば、とりあえず載せておくことが得策だと考えています。

 

ただ、そういう人は根本から考えを変えないといけません。

 

実際のところ、広く浅いレポートは合格から最も遠いレポートです。

 

「広い範囲を扱う」と言えば聞こえは良いですが、どこか1点に注力しないので、論点を設定することができません。本来であれば掘り下げるべき点があっても、その発見に至りません。

 

また、分量が増えることで、全体の統率が難しくなります。1つ1つの文章は成立していても、まとまったレポートとして見たとき、趣旨が分からない文章になってしまうのです。

 

このようなわけで、レポートを書く上で重要なことは、情報の網羅ではありません。

 

むしろその逆で、範囲を絞ることからはじめないといけないのです。

範囲という概念を生むテーマ設定

それでは、文章の範囲は何によって決めるのでしょうか。目に見えない文章に線引きするには、これについて知っておかなければなりません。

 

それは、テーマを設定することです。

 

テーマとは文章の主題であり、中心的な内容を示したものです。テーマを意識することで大枠が決まり、その外にある項目については述べる必要がなくなります。

 

これにより、範囲という概念が生まれます。一度範囲を決めてしまえば、不要な内容についてダラダラ述べることがなくなり、必要な項目に集中することができます。

 

このように非常に有益なテーマ設定ですが、その方法はかなり簡単です。

 

レポート課題を「〜について」という一文でまとめれば良いからです。

 

どんなに複雑な課題であっても、「〜について」と端的に示すことによって、述べるべきこととそうでないことが明確になります。

 

したがって、レポート課題を見てすぐに書き始めるのではなく、自分でテーマ設定する手間を挟むことが重要なのです。

テーマを設定すれば、論じるポイントが必ず見つかる

最後に、テーマ設定によって文章の範囲を決めることで、レポートにどのような変化が生じるかについて説明していきます。

 

「日本の選挙の問題点について論じなさい」という課題があるとします。

 

ただ、このままでは論述を始めることはできません。選挙に関する問題点をすべて論じることは、どう考えても不可能だからです。

 

そこで、テーマを設定します。

 

例えば、「選挙制度ごとの問題点について」というテーマを設定すれば、小選挙区制や比例代表制といった側面から、死票や政権の安定性について論じることができます。

 

他にも、「投票率の低下について」というテーマにすれば、若者の選挙離れや世代間格差という側面から、日本の抱える問題点について論じることができます。

 

このようにテーマを絞ることによって、具体的な内容が浮かび上がってきます。

 

掘り下げて述べることが求められるレポートでは、浅く広くというスタンスでは到底不可能なので、テーマを絞って論点を見出すことの重要性が理解できたと思います。

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