大学通信教育の勉強の特徴について紹介したページです

論述の条件

自分のレポートを読み返したとき、「本当に論述になっているだろうか」という問題意識を持つ人がいると思います。

 

この問題意識をより明確に表現すると、「説明と論述の違いが分からない」というものです。

 

そこで、説明を論述へ変える答えを理解することで、この問題を解決することができます。

 

その答えはとてもシンプルで、 レポートにたった一行の文を入れるだけで良いのです。

 

それが問いです。

 

あなたは毎日様々な文章を目にしますが、それらにはある共通点があります。

 

問いがないことです。

 

これについて例を挙げて解説します。

 

「運動会のリレーについて」というテーマの下、次の2種類の文章があります。

 

A:放課後毎日練習して、一等賞になれて、とても嬉しかったです。

 

B:放課後毎日練習して、一等賞になれて、練習の大切さを学びました。

 

前者は感想、後者は論述です。

 

両者の違いは、事実を説明するか、事実に考察を加えるかです。感想は事実を列挙して主観を述べますが、論述は事実から何が言えるかについて考察します。

 

ただ、Aに対して「何を学んだか?」と問えば、Bの「練習の大切さを学んだ」という視点を得られます。

 

このように考えることで、論述の条件とは問いを立てることだと理解できます。問いがあるだけで、感想や説明は論述へ昇華するのです。

レポート課題に指示がなくても問いを立てる

問いを立てることで、重要な要素を導くことができます。

 

「答え」です。

 

問いがあれば、答えが生まれます。先の例でも「何を学んだか?」と問うことで、「練習の大切さ」という答えを導くことができました。

 

この答えはレポートの結論となります。結論がないレポートは成り立たず、レポートは答えとその他の文章から成り立っていると言っても過言ではないのです。

 

ここまで読めば、レポートに問いを立てないことがいかに問題かを理解できます。それにも関わらず、なぜ問いを立てずにレポートを書いてしまうか、その理由は決まっています。

 

レポート課題にそのような指示がないからです。また、具体的な問題も載っていないので、課題の指示通りに進めることで結論がないレポートになってしまうのです。

 

例えば、「代替財について論じてください」というレポート課題に対して、代替財の定義を述べるだけの人がいます。結論がないレポートなので、合格することができません。

 

そこで、具体的な問いを立てます。「代替財はどういう状況で生じるだろうか?」などと問いを立てることで、代替財について論述し、レポートに答えが生まれます。

 

このように論述には問いが必須であり、自分自身で立てる必要性を認識してください。