何度も読めば、具体的な疑問が生じる
参考文献を読んでいると、一定の頻度で意味が分からない文章が出現します。こうした文章ほど重要な内容であることが多いので、通信生を悩ませます。
このページでは、このような場合の対処法を教えます。
まず、文章の意味が分からないからと言って、そこで立ち止まってはいけません。
不明箇所にチェックし、とりあえず次を読み進めることが大切です。
キリが良いところまで読み終えたら、必ず戻って読み直してください。視点が変われば、具体的な疑問点が浮かぶためです。
漠然とした疑問点が、「これさえ分かれば書けるのに」という具体的な疑問点に変われば、確実に前進していると言えます。
このように、文献は一度読んだだけで終わりにせず、「何度も」読むことが大切です。
実際のところ、他人が書いた文章は、初見で理解できることの方が少ないと言えます。
ほとんどの人は、自分で書いた文章でさえ、時間が経てば正確な意図は読み取れません。そのため、見ず知らず人が書いた文章など、スッと頭に入ってくることの方が稀なのです。
このようなわけで、文献内容が理解できないのは、あなたが悪いのではありません。実際には文章の方に問題があるので、いち早く対処法を理解する必要があります。
理解できた部分をベースにして、不明点の内容を予想する
たとえ意味不明の文章でも、何度も読み直すうちに「ここが分からない」というポイントが明確になります。それを見つけて解消する過程こそ、文献読解の神髄だと言えます。
どのように解消するかと言うと、理解できた部分をベースに不明点の内容を予想します。
たまに、不明点を完全に無視して、理解できた内容だけでレポートを書こうとする人がいます。
ただ、実際にはこれは不可能です。読み進めるうちに不明点が広がるので、文章として成立しないからです。
特に、学術書は文同士の結びつきが強いので、前後の文は密接に関連しています。その関連の仕方を感じながら読めば理解できますが、そもそも用語の意味が分からなければ考えようがありません。
そこで、文章を分かりづらくしている「犯人」を見つけましょう。
まずは、犯人となる用語や文章にチェックをつけて最後まで読み、大意を掴みます。その後、犯人の周辺を徹底的に読み返し、「おそらくこういう意味だろう」と仮説を立て、文章の真意を予想してください。
「仮説」と言うと、なんとも心許ない印象を受ける人もいると思います。
ただ、文献の文章は、そもそも自信を持って解釈できるケースの方が少ないです。そのため、分からなければ仮説を立てて、文脈から意味を推測するしかありません。
どのような文献にあたっても大筋で理解できている人は、最初からこうした読み方をしているのです。
理解できない文献は最初から読まない
もう1つの方法としては、理解できないほど難解な文献は最初から読まないという選択肢もあります。
もちろん、ただ読まないのではなく、代わりの文献を用意します。
実際のところ、通信制大学には意味不明のテキストや文献も一定数存在します。このような文献にしがみつくと、多くの時間と労力が無駄になります。
例えば、慶應通信の「論理学」や「経済学」は、テキストだけでレポートを書こうとすると難易度が100倍上がります。「論理学」は抽象的な内容が多すぎて全体像を理解できず、「経済学」は課題に関する情報が少なすぎてそもそも参考になりません。
それにも関わらず、「履修要綱」にはテキストを参考にするよう指示が出ています。
そのため、こうした指示はすべて無視して構いません。レポート課題の要件を満たしていれば問題なく合格できるので、最初から分かりやすい文献にあたった方が得策なのです。
私の経験上、どのような科目にも最適な文献は存在します。
それは平易な表現で述べられ、入門などのタイトルが付けられた、初学者向けの文献です。
このような文献を探し、情報を仕入れられるかが、レポートの分岐点であることを認識してください。
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