引用の基本方針
勘違いしている人がいますが、大学生のレポートでは独創的な意見は求められていません。それよりも正しいことを書いているか、根拠は挙げられているかという基本的なことが問われます。
この点をサポートするのが引用です。
このページでは、効果的な引用方法について解説します。
引用を行う際、基本的な方針は次の3点です。
引用には、レポートに客観性を付与するという目的があります。そのため、最低限の分量を学術書から引用しましょう。
また、コピペと区別するためにきちんと形式を守り、自分の文章と区別する必要があります。
引用すべきポイント
続いて、引用箇所について説明します。
一般的に、引用は次の2点に対して行います。
・用語の定義づけ
・考察の根拠
用語の定義づけを行う場合、自分の言葉で述べるのではなく、文献からの引用が有効です。
次の2つの文を見てください。
@「脳卒中の正式名称は「脳血管障害」であり、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血に分けられます。」
A脳卒中とは「急性症状を示す脳血管障害」(※注1)によると定義される。これは虚血性と出血性に大別され、前者に脳梗塞、後者に脳出血とくも膜下出血がある。」
両方とも脳卒中の定義づけを行っていますが、@は自分の言葉で述べているのに対し、Aは注で出典を明らかにして引用を行っています。
定義づけは何より正確さが求められるので、Aのように記述することで信頼に足る文章となり、評価が上がります。
もう1つは考察を述べる際です。ある事実に対して考察を加える際、きちんとした根拠が必要になるので、引用する必要があります。
次の文を見てください。
事実:地球温暖化が進んでいる。
根拠:「100年間で地球の平均気温は2度上昇している。」(※注1)という。
考察:30年後には南極の氷は減少し、生態系への深刻な影響が予想される。
このように根拠となる文を文献から引用することで、考察の妥当性を裏付けてくれます。
引用のフォーマット
最後に、引用の形式について説明します。
自分の文章と他人の文章を区別するには、引用文をカギカッコで括り、出典を明らかにする必要があります。
以下のように表記します。
・「XXX(文献内容のコピペ)」(※注1)という。
(注1)XX著『文献名』(出版年)P50
このように本文中に注を付して、本文末尾の脚注に文献情報を記載します。この形式を知っていれば、誰でも簡単に引用を行うことができます。
最後に、引用に際して気を付けるべき点を教えます。
それは、「正しく解釈してから引用する」ことです。
間違った解釈のまま引用すると、勉強量が足りていないことが明らかになり、逆に評価は下がります。テキスト理解を十分に深めてから、これらのテクニックを用いるようにしてください。
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