テーマが広いと書きやすいは間違い
どんな文章にも「テーマ」があります。テーマとは文章の題材であり、支離滅裂な内容になるのを防ぐ役割を持ちます。
このページでは、レポートのテーマについて解説します。
テーマには文章を促進するものと抑制するものがあります。
例として「作文」を考えましょう。小学生の時に書いたあの「作文」です。
次の2つのお題をみてください。
A:運動会について書きなさい。
B:運動会のリレーで学んだことについて書きなさい。
あなたは、どちらの方が書きやすいと思いますか?
正解はBです。
Aの課題はテーマが漠然としているので内容が決まらず、そのままでは書き始めることができません。一見、テーマが広くて書きやすそうに見えても、実際には自分自身で適切なテーマを設定する必要があるのです。
レポート課題の再定義
適切にテーマを設定することで、文章の範囲を決めることができます。
例えば、Bの「運動会のリレーについて」という課題から、「リレーから学んだ練習の大切さ」というテーマを設定すれば、玉入れや係活動などを除外することもできます。
これにより、「毎日リレーの練習をして一番になれたから、練習の大切さを書こう」という方向性が決まります。
さて、ここで注目したいことは、お題とテーマは違うということです。
「運動会のリレーについて→リレーから学んだ練習の大切さ」というように、お題をアレンジしてテーマを設定しています。このアレンジを「課題の再定義」と呼び、テーマ設定に役立ちます。
レポートに話を切り替えます。
レポートのお題はレポート課題です。そのため、レポート課題を再定義して、テーマを設定します。
例えば、「江戸時代の農民について論じなさい」というレポート課題があるとします。
江戸時代の農民すべてを論じることは不可能なので、レポート課題を再定義する必要があります。課題を捉え直し、問われている内容を具体的に決めることで、レポートのテーマが見えてきます。
そこで、「江戸時代の農民の歴史を概観したら良いのではないか」と捉え直すことで、「江戸時代の農民の歴史について」というテーマが決まります。
テーマに対して切り口を決める
最後に、もう1つ重要なことを教えます。
テーマはレポートの範囲であり、どのような観点から眺めるかによってレポートの方向性が変わります。
例えば、「江戸時代の農民の歴史について」というテーマでは、歴史を概観するのか、年表ごとに述べるのかが分かりません。
そのため、テーマ設定の際はどのような観点から眺め、どのように分析するのかというアプローチまで考えることが重要です。これは「〜という観点からみて…について」という形でまとめることで可能になります。
例えば、「上級農民と下級農民の衣食住の違いからみる、江戸時代の農民の歴史について」というテーマです。
このようにレポートの範囲だけでなく、それに対するアプローチを決めることで、分析的な論述が可能になります。
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