レポート課題の指示の意味

レポート課題の語尾に注目する

通信制大学には科目の数だけレポート課題があります。

 

ただ、一口にレポート課題と言っても、大きく2種類に分けられます。これらはまったく違うレポートなので、両者を見極め、書き分けないといけません。

 

両者を判別する基準は、レポート課題の末尾です。

 

課題の末尾には「指示」が載っており、「説明しなさい」「考察を加えなさい 」「論じなさい」「まとめなさい」などがあります。

 

普段は読み飛ばしているかもしれませんが、この中に1つだけ異質なものが存在します。

 

それは、「説明しなさい」です。

 

例えば、「考察を加えなさい」とは、テキスト内容をまとめた上で、自分なりの意見を述べます。「論じなさい」や「まとめなさい」も同様です。

 

これらの指示は、自分自身の視点からテキスト内容について議論する必要があります。

 

一方、「説明しなさい」では、その必要がありません。

 

「説明」とはテキスト内容を自分の言葉に直して述べることなので、自分自身の視点から議論を行う必要がないのです。

レポートの分類

このように、レポート課題の指示によってレポートの内容が変わります。そのため、レポートを2種類に分類し、それぞれ学ぶ必要があります。

 

説明型レポート

 

「〜を説明しなさい」という課題のレポートです。説明のみで構成されるので、自分なりの考察は必要ありません。

 

例えば、「経済政策の効果について、IS曲線およびLM曲線の概念を用いて説明せよ」というレポート課題では、「経済政策の効果」についてテキスト内容を説明します。経済政策の特定の状況に着目したり、議論を行う必要はありません。

 

・論述型レポート

 

「〜を論じなさい」「〜に考察を加えなさい」という課題のレポートです。説明と考察で構成され、難易度は高めです。

 

例えば、「テキストの主張内容を踏まえた上で、レポート筆者が関心を持っている今日的な問題について論じてください」という課題では、テキスト内容を説明した後、自分自身の観点から考察を加えます。考察の題材やアプローチを決め、議論を行う必要があります。

通信制大学のカリキュラム

これらの違いをまとめると、以下のようになります。

 

・説明型レポート=説明

 

・論述型レポート=説明+考察

 

説明型レポートは総合科目に多く、論述型レポートは専門科目に多い理由は、考察の有無にあります。

 

大学教育は2年次までに基礎を身に付けることを主眼とし、学部共通の総合教育科目を履修します。その後学部や学科ごとの分野に分かれ、専攻分野ごとにゼミに入り、卒論を書いて卒業するというカリキュラムとなります。

 

このカリキュラムを通信制大学に適用すると、最初の2年間で総合科目の説明型レポートに取り組み、大学通信教育の基礎を身につけます。その後の2年間で専門科目の論述型レポートや卒論に取り組み、本格的な学問を行います。

 

したがって、総合科目と専門科目を区別せずに受講している人は、このカリキュラムを無視してわざわざ難しい方法で履修していることになります。

 

当たり前ですが、基礎から応用に向けて学んだ方が効率的なので、まずは説明型レポートに取り組みましょう。

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