レポートを加速させる「ストーリー」
レポートの書き方を学ぶには、レポートを書く前に何をするか学ぶ必要があります。準備の段階で、完成形の質はほとんど決まるからです。
レポート初学者ほど下書きまでの時間が早く、上級者ほど完成までの時間が早いという特徴があります。これは、上級者は初学者がやっていないことに時間を使い、それがレポートを加速させていることを意味します。
それが、レポートのストーリーを考えることです。
ストーリーとは説明や考察の方向性を図示した、レポートの型です。テーマや問いをもとにレポートの大まかな流れを書き出し、節立てや下書きに繋げます。
ストーリーを作ることで、次のようなメリットがあります。
レポートの「どこで」「何を」「どのように」述べるかが明確になります。バランス良く、論理的なレポートを作成することができます。
下書き前に解決すべき問題が明確になります。問題を考えながら下書きする場合と比べ、完成までの時間に雲泥の差が生じます。
ストーリー作成の考え方
それでは、「江戸時代の上層農民と下層農民の違いについて述べよ。」というレポート課題でストーリーを作ります。
このレポート課題の特徴は、農民の違いを述べるにあたり、農民のどこに注目すれば良いか分からないことです。一口に「違い」と言っても、様々な観点から述べられるので、このままではレポートの内容が決まりません。
そこで、レポートのテーマを設定します。「江戸時代の農民の衣食住の違いについて」などとテーマを決め、レポートの題材と範囲を限定します。
ただ、テーマだけでは論点が決まらないので、問いを立てます。「上層農民と下層農民の衣食住の違いから何が言えるだろうか?」などと問いを立てれば、本論を展開し、結論を出すことができます。
このようにテーマと問いが決まれば、あっという間に結論まで見通すことができます。結論から逆算することで、本論の大まかな流れが決まるので、次のようにストーリーを考えます。
今回の問いでは、農民の衣食住の違いに対して考察を加えます。そのため、最初に上層農民と下層農民ごとに衣食住を述べ、その後、差異に対して考察を加えるという形になります。
これにより、「衣」「食」「住」「考察」という節立てが決まります。ストーリーの段階では、実際の文章を考える必要はないので、各節の大まかな内容をイメージしておきましょう。
アウトラインの書き出し
ストーリーが決まれば、次のようにアウトラインが完成します。
レポート課題:江戸時代の上層農民と下層農民の違いについて述べよ。
テーマ:江戸時代の農民の衣食住の違いについて
問い:上層農民と下層農民の衣食住の違いから何が言えるだろうか?
レポート構成:
第1節:衣服
上層農民と下層農民の衣服に関する説明をする
第2節:食事
上層農民と下層農民の食事に関する説明をする
第3節:住居
上層農民と下層農民の住居に関する説明をする
第4節:考察
上層農民と下層農民の差異に関する考察を加える
以上です。
論述の流れは「テキスト理解→考察」なので、テキスト内容をまとめた上で、問いに答えることがセオリーです。そのため、説明節をいくつか用意し、その内容を受けて最終節で考察を加える形はオーソドックスな手法となります。
ストーリーの作り方は無料メルマガ講義でも解説しているので、こちらから学んでください。
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