通信生のタイプ分け
私はこれまでに何百人という通信制大学の学生を指導してきました。この経験から、通信制大学で成功できる人とそうでない人を見極められます。
入学から卒業まで独学で突き進む大学通信教育では、勉強環境と動機づけの両方が必要になります。時間があってもやる気がなければ意味がなく、時間がないことを理由に勉強しないことを正当化するケースもあるからです。
さらに言えば、独学に必要な動機づけは、通信生が置かれる環境によって様々です。通信制大学には10代〜70代まで混在し、モラトリアムの渦中の10代と家庭を持つ社会人では、アドバイスの内容も変わります。
そこで、通信生を以下のように3分割します。
・大学生世代の通信生
・働き盛りの社会人大学生
・生涯学習世代の通信生
このように勉強環境別にタイプ分けし、それぞれの環境で有効な動機づけについて解説します。
社会人と大学生の両立
このページでは、「働き盛りの社会人大学生」について解説します。
通信制大学には、大学通信教育のコンセプト通りの学生である「働き盛りの通信生」がいます。これは、社会人として働きながら、仕事と勉強を両立する通信生を指します。
社会人大学生が抱える問題は、何と言っても、社会人と大学生の両立です。
彼らは、平日は朝から晩まで仕事に追われ、休日は仕事疲れに襲われるので、常に時間がありません。せっかく勉強しても中断してしまえば、気が付いたときには何ヶ月も放置してしまいます。
このようなわけで、仕事と勉強を両立する上で重要なテーマは、いかにして勉強環境を整えるかです。毎日時間を確保し、その中で効率的に学び、成果を出せるかという点こそ、社会人大学生のポイントとなります。
また、仕事との両立を難しくしているもう1つの原因は、実は彼らの精神面にあります。
社会人大学生は仕事さえすれば生きていけるので、通信制大学で勉強する差し迫った必要性がありません。この事実が大学通信教育の優先順位を下げるので、いかにして必要性を見出すかも重要になります。
この点については、こちらのページから大学通信教育の意義を学んでください。
「時短術」と「隙間時間」
それでは、社会人大学生の勉強環境の整え方を教えます。
まず、限られた時間で成果を出すために必要なのは、「時短術」です。
同じ時間でも、順序や方法によって密度は変わります。これにより、質を落とさずにスピードだけを早められます。
私の場合、当初はレポート完成に3週間かかりましたが、時短術を取り入れたことで1週間で完成できるようになりました。
これは、文献を通読するのではなく読む箇所を選定したり、いきなり下書きするのではなくアウトラインをノートに書き出すなど、いくつも方法があります。
また、毎日時間を確保するには、「隙間時間活用術」が有効です。
先程、社会人大学生は常に時間がないと言いましたが、あくまで「まとまった時間がない」という意味です。単発の時間に着目すれば、勉強に必要な最低限の時間を毎日確保できます。
どういうことかと言うと、社会人には少なくとも1日に3回、勉強できる時間があります。
「朝時間」、「休憩時間」、「通勤時間」です。
例えば、カフェの開店時間に合わせて早起きすれば1時間勉強でき、昼休憩に一人になれば昼食後は勉強時間に変わります。
また、帰りの電車はインプットに最適で、文献を読み直すだけで一日の勉強内容を振り返ることができます。
このように、1時間ほどの隙間時間がちょうど良く散らばっているので、最低でも毎日3時間はレポートに充てることができるのです。
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