「根拠がある者同士の対話」に必要な2つの要素
レポートは議論です。つまり、「根拠がある者同士の対話」によって論述を進める必要があります。
このページでは、「根拠がある者同士の対話」について解説します。
「根拠がある者同士の対話」とは、ただのおしゃべりではありません。思いついたことを取り留めなく述べるのではなく、相手の意見を尊重した上で、科学的な考えを論理的に説明します。
したがって、根拠がある者同士の対話には、客観的な視点と双方向のコミュニケーションが見られます。
レポートにもこの2つの要素が必要です。
多くの人は主観を一方的に述べることは得意ですが、客観的な視点を取り入れることはとても苦手です。日記やブログならペンが進む人でも、論述となると途端に思考が停止してしまうことが、何よりの証拠です。
ただ、レポートを書くということは、いかにして主観を客観的に述べ、論述を行うかにかかっています。
そのヒントが、レポートを「根拠がある者同士の対話」とみなすことなのです。
レポートにおける「客観的な視点」
「根拠がある者同士の対話」には、客観的な視点と双方向のコミュニケーションが存在します。
レポートにおける客観的な視点とは、主張の根拠を示すという点にあります。
根拠がある者同士の対話では、「なぜそんなことが言えるのか」という根拠を明確にして主張を行います。そうでなければ、より知識のある人に反論されてしまうからです。
レポートも同様に、テキスト理解を十分に示した上で主張を行います。先行研究に沿って考察することで、何人も反論することができない結論を導くことができます。
このような考えを示したものが、「テキスト理解→考察」という論述の流れです。考察が主観とならないよう、テキストという客観的な根拠を載せておく必要があるのです。
根拠を示す際に重要なポイントは、テキストや文献から引用することです。特に、「定義」や「数値」はレポートに説得力を持たせる上で重要なポイントなので、自分の言葉でまとめるのではなく引用しましょう。
レポートにおける「双方向のコミュニケーション」
「双方向のコミュニケーション」とは、自分とテキストとの間で対話を行うことを意味します。
レポートにおける対話は、マクロな対話とミクロな対話に分かれます。
マクロな対話とは、レポート課題の意図を受け止め、それに対してどのようにレポートを展開するかという、全体的なアプローチを指します。
つまり、レポート課題の指示を一方的に受けるのではなく、自分自身の解釈によって再定義することで、双方向のコミュニケーションが成立します。
これを表現した形が、序論で問いを立て、結論で答えるというレポートの形式です。
また、ミクロな対話とは、テキスト内容を理解し、それに対してどのように考察を加えるかという、本論におけるアプローチを指します。
つまり、テキスト内容をコピペしたり、テキスト内容を無視した主張を行うのではなく、テキスト内容を題材に考察を加えることで、双方向のコミュニケーションが成立します。
これを表現した形が、「テキスト理解→考察」という論述の流れです。
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