レポート学の概要
このページでは、「レポート学」の要となる段階的な学び方について解説します。
概要としては、以下になります。
・大学教育の目的
・レポートの形式
・試験対策の方法
・テキスト批評の仕方
・参考文献の使い方
・説明型レポートの書き方
・学問の概念
・考察の加え方
・論述型レポートの書き方
・卒論
このペース配分で進めることで、具体的にどのような能力が身に付くかについて年度別に解説します。
1年目
1年目は単位取得はそこまで重要ではありません。それよりも単位取得の仕組みを学び、レポート、試験、スクーリングなど、様々な経験を積み重ねてください。
この経験は、必ずあなた自身の「実体験」である必要があります。
通信生の中にはネットなどで情報を仕入れ、自分が勉強した気になっている人がいます。ただ、それは単なる情報収集であり、何も学んでいないのと同じです。
勉強とは以下のことを指します。
・レポートの書き方の参考書を一読する
・「履修要項」を読む癖を付ける
・文献内容を理解してからレポートを書く
これらは通信制大学の基礎ですが、なぜか多くの人は軽視して真剣に学ぼうとしません。その結果、2年目以降の選択肢が狭まり、大学通信教育の意義も先細りします。
それでは卒業できないのは当然なので、1年目にきちんと行いましょう。
2年目
2年目は「説明」という記述を学び、「説明型レポート」をマスターし、総合科目を修了します。
「説明型レポート」とは、主に総合科目のレポートです。テキストや文献の内容を自分の言葉で記述するだけで合格できるという特徴があります。
そのため、1年目にきちんと学んだ人は意外と簡単に感じると思います。
ただ、油断は禁物です。
説明型レポートは、大学における本来のレポートでははないからです。大学教育に慣れるまでの言わば「簡易版レポート」なので、これだけでは十分ではありません。
ただ、重要なノウハウも多く含むので、特にテキスト理解を重点的に学び、今後の学問の基礎を形成しましょう。
3年目
3年目は「論述」という記述を学び、「論述型レポート」をマスターし、専門科目を修了します。
「論述型レポート」とは、主に専門科目のレポートです。テキスト内容を述べるだけでなく、それに対して考察を加えるという特徴があります。
論述において重要なことは、テキストや参考文献の「事実」に対し、自分自身で問いを設定することです。これにより、テキストから習う「学習」を脱却し、自分から問う「学問」へ突入します。
これは卒業の分岐点であり、3年目はまさに勝負の年です。周りの人がリタイアする姿を目にし、自分自身も一区切りすることも頭をよぎるでしょう。
ただ、そういうことが気になるのも3年目が最後です。3年目はこれまでの努力が成果として現れる直前なので、ここで乗り切れた人は「リタイア」という選択肢がなくなります。
ここを乗り切るための答えは「大学教育の目的とは何か？」という問いの中にあります。この問いによって、通信制大学のあらゆる問題は解決するということを覚えておいてください。
4年目
4年卒業の場合、4年目は最終年です。そのため、卒業論文を完成させ、卒業試験を受けるなど卒業に関する勉強を行います。
多くの場合、「卒業」の条件は「卒論」を提出することです。つまり、あなたが卒業できるかどうかは、担当教授から「提出許可」をもらえるかにかかっています。
また、いつ卒業できるかは、さらに不確定要素です。
例えば、慶應通信の場合、卒論期間は1年〜10年であり、人によって大きく違います。
私の場合は1年間でしたが、もし違う教授ならどうなっていたか分かりません。できるだけ早く卒業したいなか、それが不確定要素というのは恐ろしい他ないと言えます。
ただ、何も対策がないわけではありません。
卒論指導に先立ち、
・指導教授のリサーチ
・学びたいテーマの限定
・データ取得に向けた環境整備
などの準備が有効です。
私の場合、2番目と3番目はしつこいくらいに行いました。卒論指導前に構想を練り、疑問点を具体的に持つことを意識しました。
これにより、年度ごとの履修を活かし、本当に学びたい内容で卒論を進められます。
このように卒業までの大局観を持ち、体系的、段階的に学ぶことが「レポート学」の要です。
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